あれから1ヶ月、被災地はまだまだ復興の兆しすら見せない。「災害関連死を0にするように…」等々掛け声だけは立派だが、どう足掻いたってこれだけの震災が起これば被災者に出る死者を0にする事ができないはずなのに、何故このような綺麗事を言うのだろうか? 例え中国以上に徹底した管理国家であったとしてもこういった災害が起これば、老人や障害者等の災害弱者・身体の弱い者から亡くなって行くのは当然の事で、「それをどう一人でも減らすか」と言うのならまだ分かるのだが。

 掛け声の立派さとは裏腹に、日本の災害対策はかなりお粗末なものだ。「日本の被災地の避難所はソマリアの難民キャンプ以下」ととある番組で野口健が言っていた。イタリアではこういった災害が起こった後3日以内に一人キャンプで使うようなミニテントを被災地に設置する義務があるという。各自治体が沢山常備しており、起こった被災地に周りの自治体が貸し出すそうだ。それだけでなく日本の内閣府には常設する災害対策の部署もなく、担当スタッフはいるものの総勢でも100人弱しかいないという(アメリカのFEMAは常設で7600人)。そのせいかボランティアに名乗り出る人達が沢山いても、受け入れる体制が全く整っていないし、物資が来ても欲している場所に適切に届けたりできないのだ。現場に来た自衛隊・現地の社会福祉協議会の人、自分らも被災しているがボランティアに出て来ている人達らに根性と気合いでどうにかしろと言っても限界がある。

 日本はプレートが4枚重なった世界で最も危険な場所で、大地震がどこで起きてもおかしくない。なのに、準備が全く整っていない。考えないようにわざとしているような体もある。南海トラフが起これば、津波だけでなく、また原発震災にもなりかねない(稼働していなくても、燃料棒プールには冷却中のものが残っている所もある)。明るい未来はなさそうだ。